Sunday, June 18, 2006

ちょっと前の話

日記を付ける事に決めた前の話なんだが、印象深かったので記録を残しておこう。

折れ矢冒険者ギルドの営業時間外
戦いを終えて宿屋に帰ってきた所、なんぞ俺の事を知った謎の人物に声を掛けられた…片付けしてたマスターに紹介されたんだっけかな? まぁ、その辺はどうでもいい。
待たせてしまったのでその場で鎧を脱ぎ、靴をサンダルに履き替えながら話をした。考えてみれば飲食するテーブルで敵の血に汚れた武器防具脱ぎ始めるんだから営業妨害も良い所だよな。営業時間外で無ければ他の客に文句を言われそうだ。

んで、なんかな。
その「待ってた人物」がしきりに俺を持ち上げようとしているのが鼻についた。俺の肉体と根性を褒めようとしているのがどうも今ひとつ納得できん。
俺の傷だらけの体を見て、歴戦の戦士だという。
単純に剣の腕がなってないから引っかかれ、貫かれ、血を流す羽目になってるんだが。
俺が生きて宿屋に戻れるのは、先代やその他の「仲間」がダンジョンやモンスターの巣から分捕ってきた発掘素材と、それを幾千幾万のガラクタに変えながらたまーに強化成功するフラーレン姐さんの腕が作り出した奇跡の逸品(生存確率から言ったら奇跡でも生ぬるいか?)があるからだ。
俺は多くの人々の思いの篭った武器防具を身にまとって行き続け、戦い続けている。
鎧が無ければ無いで何とかするが、何とかできる幅は限られてくる。
また、俺の装備一式は俺の戦い方に会わせてチョイスされているから、俺の鎧を着たから俺と同じ戦果を期待できるって訳でもない。

時に、アーティファクトやマイナーAFと呼ばれる装備を揶揄する人を見かける。
装備で戦っているのではなく、装備が戦っていると。
そういう人間が居ない訳でもないが、本当にしっかりした連中はきっちりAFやMAFを使いこなしている。あれ装備したからダメになるとか、腐ってるとかってのはおかしか無いか?

先代から聞いた言葉がある。

This is my sword.
There many like it, but this one is mine.
My sword is my best friend.
It is my life.


祈りの言葉だと言う。
これぞ我が剣。
世に剣数あれど、我が物は一つ。
これぞ我が最良の友
我が命なり
ここまで入れ込み、信頼を寄せる事が出来るのであれば、どんなもんでも構わん。存分に使い、存分に血を吸うといい。
そして…俺が使い、俺が血を撒き散らすのはこれらの武具のみ。皆には見えないのだろうが、これらには皆が思っているよりも強い力と俺の信頼が詰まっている。見てくれだけなら古代の武具類に劣るかもしれないが、これらには何物にも変えがたい「この世で暮らす人々の思い」がある。
全部背負い込んで戦ってるんだ。そして俺はそれら全てを統べて戦う。

先の祈りは以下の様に続くと言う。
I must master it as I must master my life.
(我、剣を制すなり 我が命を制すごとく)

Without me, my sword is useless.
(我なくして剣は役立たず)

Without my sword, I am useless.
(剣なくして我は役立たず)

I must swing my sword true.
(我、的確に剣を振るうなり)

I must pierce struggler than my enemy who is trying kill me.
(我を殺さんとする敵よりも勇猛に貫くなり)
I must slash him before he kills me, I will.
(殺される前に必ず切り裂くなり)


俺の腕を誉めそやしても俺は余り嬉しくない。
俺と、武器防具と、そして馬のLong。この内一つでも欠けてしまえば、俺は俺でなくなる。
俺だけが強いわけでも、武器防具が良いだけでもない。
全部あわせた「俺」が強いんだ。


多くの戦士に、良き鉄の剣と盾、鋼の意思、それらを鍛える燃え立つ心が訪れんことを!

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